ふーみんみん

日記。

スズメと仲良くなろう

はじめに

私の家では春から秋にかけてスズメが玄関やベランダに虫の死骸を並べるイベントが発生する。学生時代も同様の被害に悩んでいた。スズメが来るのは嬉しいが、私は虫が苦手である。特に夏の蝉の死骸の整列は勘弁してほしい。これまでもスズメと対話を試みたり、置物を置いたりと策を講じてきたが上手くいかず悩んでいた。この話を同僚にしたところ、スズメへの愛が足りないのでは?(カラスを愛しすぎて怒っているのだよ笑)と指摘された。確かにと思ったので、これを機にスズメについて理解を深めようと思った。#カラスに対する愛はまた別途語りたい。

目標

スズメへの理解を深める。ただ眺めるだけではなく、行動パターンの把握、近所の住処の把握、雌雄や年齢識別をし、最終的にはコミュニケーションを取り虫の死骸を並ばせるのを止めさせたい。

注意

今回はオンラインの無料文献のみ(有料文献や本を読むまでのモチベーションはない)。個人ブログなども一通り見たが載せるのは公的っぽい文書のみとした。そもそもの文献が少なかったため、情報を整理して真偽はフィールドワークで確認という形としたい。嘘を発信するつもりはないが、確からしさの担保はしない点、留意をお願いしたい。#ノリと勢いで書いたので冗談半分で見てください……笑

スズメについて

スズメはスズメ目スズメ科スズメ属の鳥である。日本で主に観測できるのは、スズメ(Passer montanus)とニュウナイスズメPasser rutilans)の2種であり、ごく一部、ヨーロッパ大陸を中心に生息するイエスズメが観測される地域があるそうだ。世界的に見るとスズメ属に属するのは15種(分類によっては20種)らしい。スズメとニュウナイスズメの概要を以下にまとめる。イエスズメはごく一部の地域でのみの生息(観測)のため今回は説明を省いた。

  • スズメ(Passer montanus

ebird.org

日本人がスズメと聞いて連想する種である。都市、農村、里などの人の居住域付近で一年中見られる留鳥(年間を通して同じ場所にいる鳥である)であり、ユーラシア大陸の広域で観測できる。食性は雑食で、植物の種子や虫に加え、花の蜜、パン屑や生ゴミまで何でも食べる。

#スズメは桜の蜜が好物らしい。他の鳥と異なり花をちぎって蜜を舐めるため、花粉を運ばない。そのため桜にとっては迷惑な鳥らしい。がくごと桜散る? 「犯人」はスズメ 蜜狙ってちぎる 密かなかわいい”犯行” - 丹波新聞

ebird.org

(適切な表現でない可能性はあるが)寒い地域、山にいるスズメ属の一種である。スズメと比較をするとサイズが小ぶりであり、頭部等の色が少し鮮やか等の特徴がある。スズメは留鳥であるのに対し、ニュウナイスズメは移動性があり、繁殖期は北海道の平地や林、本州中部以北の山地で過ごし、冬季は雪の積もらない(寒すぎない)エリアに移動をする。食性は雑食であるが、主食は草本の種子や昆虫である。

#リンクしたページでは鳴き声が聞けるので是非聞いて欲しい。カラスの分類では外見では判断できずこの鳴き声図鑑で判定に至った経緯がある。鳴き声を理解するだけで鳥観察の楽しさが倍増する。#また今回は触れなかったがイエスズメについても国内でも観測報告がいくつか上がっている(例:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjo/69/1/69_97/_pdf

生活パターン

鳥を追うときは先ず彼らの行動様式を理解し、人間も合わせる必要があると考えている。フィールドワークに向けてスズメの生活パターンについて調べていきたい。

  • スズメの行動パターン

カラスは分かりやすく朝に巣を出て、夕方に巣に帰るし、ゴミ捨て場を漁るルーティンもあるがスズメは一体どうなのか。

「松岡ら(1984)、餌場に現れるスズメの数の変化 I.1日内の変化および餌量との関係(https://www.wbsj.org/nature/public/strix/03/Strix03_03.pdf)*1」でスズメの餌場の訪問傾向をモニタリングするという面白い調査をしていた。調査結果や方法は専門的なので割愛するが、考察を引用しスズメの行動パターンの参考となる情報を整理した

  • 餌場に現れるイエスズメの活動時刻は通常日出前30分から日没後30分*1
  • スズメの活動型は朝晩の2山型が基本、摂食は日出後に第1回目のピークに達し日中は不規則な変化を示すが数が少なく、日没の1時間ほど前にもピークに達する*1

これらから、カラスと同様で日の出直前から日の入り直後まで活発に行動すると分かった。また、日の出後、日の入り前に食事をする個体が多いことから観察が容易(地面での観察が可能)だと想定される。午前中に探索をすることで対応したい。

  • 生活区域

調査すべき時間帯を把握したので次は場所のアテを付けたい。実家にも毎朝スズメの巡回が来るのだが季節問わず必ずくるし、街中を眺める限り季節を問わずスズメがよく現れるスポットは決まっているような気がするが。

「三上ら(2015)、冬期におけるスズメの住宅地利用と営巣場所への執着、日本鳥学会誌(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjo/64/2/64_227/_pdf)*2」にヒントのなりそうな調査方法、結果が整理されていた。以下、調査結果の一部を私なりに解釈して整理する。調査では冬はどこでスズメが暮らしているのか(古巣との関係性)を調査している。

  • 冬場においてもスズメの群れは古巣から40m以内、すなわち古巣を中心とした大きい家 1 軒分の範囲内でみられた。古巣から近い場所に強い執着を持っていた*2
  • スズメの群れが観測されたエリアは家屋、植栽、電柱・電線が多かった*2
    (冬の朝のデータである)

冬の情報ではあるがスズメの行動範囲は狭いことが想定される。スズメの巣がありそうな家を探しだしていく、スズメを見つけて付近の拠点を探すのが効果的ではないかと思う。巣を作りやすい場所の特徴も別途調査したのでアテはつけれそうだ。この調査を眺めていて思い出したが実家は毎年スズメの巣ができる。確かにこの調査結果とも一致すると思った。

雌雄の判別

スズメを外見だけで雌雄判定するのは大変難しいらしい。サイズ、顔つき、行動等さまざまな識別方法が載っていたが、一番確からしそうなのは抱卵斑の有無だと思われる。抱卵斑とは、「卵を温めるために羽毛がなく皮膚が露出した部分(主に下腹部)」である。羽毛は体温を保つ役割があるが、卵を温めるためには温度の高い体表面を卵に直接接触させる方が効率的であるためためこのような抱卵斑ができる。スズメは基本的には雌が卵を温めるため雌にのみに抱卵斑ができる。スズメの抱卵斑は個人のブログ(

すずめ四季流、すずめ雌雄の見分け方 - すずめ四季)の写真がわかりやすい。実際に温めている時期は更にハゲ感があるが、卵を温め終わった後にも毛の生え方にラグがあるので、前リンクに示したような桃のようなお腹となる。この抱卵斑による識別であるが、過去の調査等を眺めていると、”雄でも抱卵をする””抱卵斑が確認できない”といった記述も確認されたので精度は怪しい。この点は、実際にウォッチしてスズメのお腹をみてみる必要がある。春は子育てシーズンなので判別がしやすいのではないかと期待をしている。#因みに鳩の雌雄判別は難しくないですがカラスもスズメと同様難しい。

フィールドワークの方針

GWにかけて今までの調査結果を基にスズメとの接触を試みたい。まずはスズメが現れそうなスポットを探すこと、私のお家くるスズメの住処を探すところからはじめたい。その次に個体識別と1日のルーティンくらいまでみれたらよい。また、時間や個体数に関しても合わせてみていきたいと思う。

おわりに

ここから文学や歴史、芸術といった人の営みとの関係性を調べるのが私の自由研究だが、そこを(人の目に触れて良い形で)文字化するのはエネルギーが必要なので辞めておく。私は雀と聞くと太宰治の「雀」を思い浮かべた。短編で(内容は軽くないし明るくはないが)かるっと読めるので時間があれば手に取っていただければと。もう少し内容や構成を詰めて会社のレポートに上げることも考えたが、趣味度が高すぎるのでブログで供養した。GWを利用してフィールドワークをしてきます!スズメちゃん待っててね~